鈴木 牧之（すずき ぼくし、明和7年1月27日（1770年2月22日） - 天保13年5月15日（1842年6月23日））は、江戸時代後期の商人、随筆家。ぎそうじ）。牧之は俳号。塩沢（南魚沼郡 塩沢町→南魚沼市）で生まれる。家業は地元名産の縮の仲買と、質屋の経営であった。三国街道を往来する各地の文人も立ち寄り、牧之も父・牧水の影響を受け、幼少から俳諧や書画をたしなむ。商いで江戸に上り、江戸の人々が越後の雪の多さを知らないことに驚き、雪を主題とした随筆で地元を紹介しようと決意。山東京山の協力を得て、天保8年（1837年）『北越雪譜』初版3巻を刊行、続いて天保12年（1841年）にも4巻を刊行した。同書は雪の結晶、雪国独特の習俗・行事・遊び・伝承や、大雪災害の記事、雪国ならではの苦悩など、地方発信の科学・民俗学上の貴重な資料となった。十返舎一九の勧めで『秋山記行』や、『夜職草（よなべぐさ）』なども刊行した。画も巧みで、雪国の道具や雪国の生活などを『北越雪譜』に描いた。家業の縮の商いにも精を出し、一代で家産を3倍にし、貧民の救済も行った。新潟県南魚沼市塩沢に鈴木牧子記念館がある。

天保13年（1842年）、死去。享年73。墓は新潟県南魚沼市の長恩寺。同市の南部には鈴木牧之記念館がある。塩沢つむぎ記念館もあり、永六輔作詞「女ひとり」の三番に「塩沢絣に名古屋帯」と塩沢が登場する。また川端康成『雪国』にも駒子たちが塩沢に着物を買いに行く記述がある。